ヨーロッパでのグレイビーソース作りに必須、エシャロットとは ( Échalotte )

「グレイビーソース」はスイスで何とよぶ?

 牛肉や豚肉を焼いて、その肉汁を元に作るグレイビーソース。肉の旨味が詰まっていてとっても美味しいですよね。スイスではフランス語で「ソース・ドゥ・ロティ(Sauce de rôti)」、ドイツ語では「ブラーテン・ソース(Bratensauce)」とも呼ばれ、牛・豚のステーキやローストにはもちろん、ジビエ料理やグリルしたソーセージなどにも添えられる、スイス料理を代表する味の一つとなっています。

玉ねぎと間違えそうなエシャロットの見分け方

 このソースを作る際に欠かせないのがエシャロット(Échalotte)という野菜です。小振りな玉ねぎを縦に伸ばしたような形で、乾燥した赤茶色の皮の中に薄い紫がかった果肉が層状に重なっています。見た目のとおり玉ねぎの一種で、中央アジアが原産と言われています。

 玉ねぎとの大きな違いは、エシャロットは分球して増えていくという性質を持つ点です。エシャロットを半分に切ってみると、皮の中にも二つ、またはそれ以上の芯があるのがわかります。

 玉ねぎよりも味が濃く、炒めるとまろやかな甘さが出て味に深みが増します。少しニンニクにも似た香りがするのも特徴のひとつ。エシャロットを加えたのと加えないのとでは、ソースの風味が全く違うと言っても過言ではありません。

 玉ねぎ同様にきざむと眼にしみるという難点はありますが、ソース以外でも煮込み料理やパスタなど、様々な料理の隠し味として活躍すること間違いなしです。

 値段は玉ねぎよりも少し高めで、大手スーパーのコープ(Coop)では2.70フラン(350g)で販売されていました。

日本では「エシャレット」との違いに注意

 エシャロットは日本でも流通していますので、見つけたらぜひ一度料理に使ってみてください。 

 ひとつ注意点として。日本では「エシャ’レ’ット」という商品名の根ラッキョウが販売されているので、二種を混同される方もいらっしゃるようですが、エシャロットとエシャレット(ラッキョウ)は同じネギ属に属していて近しい植物とはいえるものの、実際は別物です。エシャレットという名の根ラッキョウは長ネギのような見た目ですので、見ればすぐ違いはわかります。

 日本ではかつてはエシャレットが「エシャロット」という名で売られていました。しかしヨーロッパのエシャロットと名前が同じなため「エシャレット」へと名称を変更したのだとか。みなさんもエシャロットを探す際にはご注意ください。ちなみに、まれに日本では現在もエシャロットが「ベルギー・エシャロット」として売られていることもあるそう。ぜひしっかり商品の見た目を確認してから購入してくださいね。

ショコ太
え!玉ねぎじゃん!玉ねぎの赤ちゃんじゃん!
テテ・ド・じい
ほんとじゃのう。玉ねぎみたいじゃのう

<購入先>
Coop Morges Charpentiers
Rue des Fossés 4, 1110 Morges
+41 (0)21 804 6740
https://www.coop.ch (仏・独・伊)

<参考サイト>
Échalote Traditionnelle
http://www.echalotetraditionnelle.com (仏)

** 購入した商品の価格は2019年12月時点のものです。販売時期や販売店によって異なる価格、または販売終了となっている場合もありますので、予めご了承ください。

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