隣国イタリアからのパネットーネがスイスでも定番に
みなさんはクリスマスの食べ物と言えば何を思い浮かべますか?スイスには4ヶ国語の公用語があるのと同様に、それぞれ隣接する国(イタリア・フランス・ドイツなど)の文化によって地域の特徴が異なります。また各語圏ごとにクリスマス料理の特色も様々なのが面白いところ。
南スイスにあるイタリア語圏のティチーノ州(Ticino)では、クリスマスの時期になるとパネットーネ(Panettone)をいただくのが定番になっています。
このパネットーネとはイタリア・ミラノ発祥の伝統菓子で、パネットーネ種と呼ばれる天然酵母の生地にレーズンなどのドライフルーツを練り込んでドーム型に焼き上げた、ケーキのような菓子パンです。
パネットーネの歴史は長く諸説ありますが、起源は15世紀と言われています。1919年にミラノのパン職人アンジェロ・モッタ(Angero Motta)がパネットーネの生産拡大を行なったことによりその名が広がり、彼の功績によってイタリア全土やスイス・ティチーノ州の多くのパン屋や菓子屋で作られるようになった過程で、クリスマス菓子として定着していったと言われています。
ふわふわ、ザクザク!デザート感覚の菓子パン
さて、そのお味はと言うと、表面がザクザクとした食感に焼き上がった生地にアーモンドがアクセントになっている一方、中はとてもしっとり。ほんのり甘味のあるふわふわの生地にレーズンがよく合い、どこを食べても違う食感で飽きない美味しさです。そのまま食べても美味しいのですが、ティチーノ地方の人はデザート感覚で食べる事が多いので、ホイップクリームやアイスクリームを添えていただくのもおすすめです。
デパートやスーパー、パン屋さんなどで気軽に買えます
昔はクリスマス4週間前のアヴェント(Avvento)と言う準備期間に家庭でパネットーネを作る風習があったそうなのですが、私の周りのティチーノ人やイタリア人も最近はお店で買うのが一般的なようす。
毎年11月頃からティチーノ州のデパートや菓子店ではクリスマスギフト用にラッピングされたパネットーネが店頭に並び始めます。メーカーや種類は様々で、中身は王道のドライフルーツから、最近はチョコレートが入ったものも人気です。大きさも小さいものでも直径15cmほど、大きいものは直径30cmぐらいで、お値段は15フラン〜35フランの間が多い気がします。
年末に家族親戚やお世話になった方々に贈り合う習慣は、まるで日本のお歳暮の感覚と似ています。伝統菓子パネットーネで、いつもとひと味違ったイタリアンなクリスマスを味わってみてはいかがでしょうか。
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