バイリンガル育児⑩ 体験希望者を受け入れる幼稚園側の想い

(2018年10月30日に公開された記事の再投稿です。)   

 海外在住の日本人家族が増えています。里帰りの際などに、子女を日本の幼稚園や保育園に体験入園させたいと希望する親も多いようです。今回は、実際に在外日本人の子女を体験で受け入れている日本の私立幼稚園を訪ね、先生方に詳しく話を伺いました。

 

体験希望者を受け入れる幼稚園側の想い

体験入園を受け入れた理由

 実際の希望を受け、ある程度の困難も予想されましたが、教育に携わる人間として、外国で生活するお子さんにも日本の幼稚園教育を体験してもらいたい…そんな想いから受け入れを決意しました。迎える日本の園児にとっても、異文化で過ごす子どもたちと時間を共にする良い機会となり、いい影響が期待できるとも考えました。

求めたい日本語能力のスキル

 幼児期における言語の吸収力は目を見張るものがありますが、先生からの指示がきちんと理解できる程度の日本語能力は必須。子ども自身、言葉がまったくわからない状況下で長時間を過ごすのはストレスでしょう。普段から日本語に親しみ、コミュニケーションが取れる能力を身につけておいてください。

体験入園時の注意事項

 私立幼稚園の場合、その体験入園費用の設定が大きなポイントとなるので、先生方とじっくり相談する必要があります。また、子どもがリラックスできる環境づくりを心がけるのも親の役割り。例えば、里帰りのたびに複数回の体験を希望する場合には、できるだけ同じ担任のもとで、仲良しのお友達と一緒に過ごせるように頼むとよいでしょう。

 入園シーズンの4月から5月にかけて、また運動会シーズンの間は先生方も多忙なので、体験入園はなるべく控えましょう。

 体験入園を受け入れてもらえる幸運の一方、先生方に迷惑がかかるのではという躊躇で、親御さんの心が揺れ動くこともあるかもしれません。与えられたその環境に感謝しつつ状況を見極め、子どもにとっても適切なはじめの一歩を踏み出すことが、親としての大切な心構えとなります。

* 上記記載の情報は、あくまでも個人による体験談の一例として紹介しています。ご参考の一助となれば幸いです。

バイリンガル育児連載URL

① スイス在住で日本語と現地語のバイリンガル教育への投資と継続
② アメとムチ、苦しいだけでは片親の母語の日本語は学べない
③ 日本語を母語としない片親(父親)と子どもとの必要な関係性
④ スイス育ちの日・独語バイリンガルからのアドバイス
⑤ バイリンガルの言語の切り替えスイッチ
⑥ スイスドイツ語の環境で育つ、この子とは、日本語オンリー
⑦ スイスで育つあなたに日本語を習得してほしい理由
⑧ スイスへの移民から学ぶ、ドイツ語習得のカギ
⑨ 日本の私立幼稚園・保育園への体験入学
⑩ 体験希望者を受け入れる幼稚園側の想い
⑪ 日本の公立小学校への体験入学
⑫ 体験入学先小学校の現場の声

体験希望者を受け入れる幼稚園側の想い
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