(2018年1月31日に公開された記事の再投稿です。)
スイスの学校で教育を受けた人たちは、公用語(独語・仏語や伊語のうち2つ)を話し、その他に英語や西語、その他の言語を話せる人も多く見られます。そんな環境で生まれた子どもも当然、バイリンガルやトリリンガルとして、自然に育てられるわけです。
そんな環境で生まれた子どもを育てるなかで、日本人の親として何ができるのかと頭を悩ませることもあるでしょう。とくに、乳幼児、小学生を持つ親の大きなテーマとして、「バイリンガル教育」があげられます。
では、どのようにして、子どもの日本語習得を支えることができるのでしょうか。今回は、スタッフの体験談や事例を交えながら、「バイリンガル教育への投資と継続」についてご説明いたします。
教材を上手に活用する
スイスで日本語を学ぶ際に活用したいのが、日本語教材。里帰りの際にまとめて購入したり、ネット注文でスイスの自宅まで届けてくれる会社を利用することもできます。とくに乳幼児から小学校低学年までの教材は、子どもが楽しく学べる工夫や特典もあり、上手に活用することで、楽しく日本語を学ぶ意欲にもつながります。
里帰りは定期的に
日本への里帰りを定期的にすることで、実際に日本の家族とのコミュニケーションを図り、日本語を使う必要性を体感することになります。日本語の習得が有意義なことなのだと実感するのには、里帰りが一番。日本と自分とのつながりを感じることで、日本語習得への意気込みが変わるかもしれません。
親の決意と根気
とは言っても、親の熱意が揺らぎはじめると、家の中で日本語を学ぶ機会は減り、あっと言う間に日本語を忘れてしまうことも。家の中での日本語話者のお手本は、あなた一人。ここであきらめずに「日本語習得」へ向けての、親の決意と行動力を持続させることが、大きなカギとなるはずです。
日本語の教材費や、里帰りの際の費用は決して安いものではありません。また、乳幼児から日本語習得に向けての決意を揺らぎなく持続していくことは、一筋縄ではいかないこともあるでしょう。親自身が子どもの将来のビジョンを見据えて、上手にサポートし続けることが大切ですね。
*上記の記載内容は、一個人が過去に体験したことをもとにしています。
バイリンガル育児連載URL
① スイス在住で日本語と現地語のバイリンガル教育への投資と継続
② アメとムチ、苦しいだけでは片親の母語の日本語は学べない
③ 日本語を母語としない片親(父親)と子どもとの必要な関係性
④ スイス育ちの日・独語バイリンガルからのアドバイス
⑤ バイリンガルの言語の切り替えスイッチ
⑥ スイスドイツ語の環境で育つ、この子とは、日本語オンリー
⑦ スイスで育つあなたに日本語を習得してほしい理由
⑧ スイスへの移民から学ぶ、ドイツ語習得のカギ
⑨ 日本の私立幼稚園・保育園への体験入学
⑩ 体験希望者を受け入れる幼稚園側の想い
⑪ 日本の公立小学校への体験入学
⑫ 体験入学先小学校の現場の声