Art on Ice2019〜チューリッヒ公演ハイライト〜

 スポーツでありながら「氷上の芸術」とも称されるフィギュアスケート。切っても切れない関係の音楽との融合を、競技の制約を超え、極限まで追求した氷の祭典が、アート・オン・アイス(Art on Ice、以下AOI)です。

 大迫力のアクロバット、豪華絢爛たる舞台装置、華麗な衣装や小道具、美しい光が紡ぎだす、スペクタクル・エンターテイメント。見るもの全てを魅了し、感動を巻き起こす「one and only」、唯一無二のアイスショーといえるでしょう。

 2月7日に行われたチューリッヒ公演初日のハイライト、そして興味深い周辺情報を、余すところなくご紹介します!

目次

今年のアート・オン・アイス

 AOIのコンセプトは、一流の音楽とトップアスリートたちが競演、氷上で奏でる究極のエンターテイメント。1995年にチューリッヒでスタートし、今年で24年目を迎えます。毎年どの会場でも大入り満員で、総観客数約8万人という、世界屈指の観客動員を誇るアイスショーです。

 今年はメイン歌手に、名曲「ユア・ビューティフル(You’re Beautiful)」で知られるジェイムス・ブラント(James Blunt)を迎え、スイスの大人気ソウル・ポップ歌手、ステファニー・ハインツマン(Stefanie Heinzmann)も登場。

 オリンピックメダリスト、世界選手権覇者など世界トップクラスのスケーターたちが生演奏に合わせて氷上を華麗に舞い、オープニングから観客を魅了します。

 さらにカナダ発のサーカス集団シルク・エロワーズ(Cirque Éloize)が繰り広げる息を呑むようなアクロバット、観客を惹き込む照明・舞台演出が加わり、五感を通して絶え間ない感動を生む夢の空間が広がっていきました。

今年のAOIのテーマは、 “タイム・トゥ・タイム(Time to Time)”

 19世紀ごろの産業革命時代を描いた人気SFジャンルである、スチームパンク(Steampunk)の世界観を舞台上で表現しました。

 レトロな雰囲気溢れる衣装や、装置として設置された大きな歯車…。観客は、ロマン溢れる独創的な世界へと引き込まれ、続く公演を存分に楽しみます。

初めてのバーゼル公演開催

 これまでAOIはチューリッヒ(Zürich)、ローザンヌ(Lausanne)、ダボス(Davos)のスイス国内3ヵ所で行われてきましたが、今年からは新たにバーゼル(Basel)での開催も決定しました。

 バーゼル公演は最終日の2月17日のみ。開催場所は、スイス最大級の室内テニス大会「スイス・インドア(Swiss Indoors Basel)」で知られるザンクト・ヤコブスハーレ(St.Jakobshalle)。

豪華!アフター・ショー・パーティー

 時は2月7日の夜。AOIの開催会場からほど近い5つ星ホテル、カメハ・グランドホテル(Kameha Grand Hotel)で「アフター・ショー・パーティー(After Show Party)」が催され、初回公演を終えたスケーターや豪華キャストが勢揃いしました。

 会場入口にはレッドカーペットが敷かれ、ドレスアップした華やかなスター達が次々と登場してくる非日常的なシーンは、まるでハリウッドのよう。右を向いても左を見ても、つい先ほどまで氷上で素晴らしい演技を披露してくれていた有名スケーターや出演者ばかり。

 憧れのスターたちが気さくに記念撮影に応じたり、盃を交わしたり、話したりしてくれる、愉しく貴重な時空間が展開したのです。

 また、会場では国際色豊かなビュッフェ料理や宝石のように美しく彩られたスイーツ、ドリンク各種が無料で提供され、参加者の舌も大満足。

 ステージではバンドの生演奏が行われ、深夜3時頃まで熱気が溢れる盛会となりました。普段はテレビやメディアの記事でしか接点のない選手たちやスーパースターと身近に交流できるのが、このパーティー最大の醍醐味。

 まさに魔法にかけられたような一夜でした。そんな豪華絢爛なアフター・ショー・パーティーの様子を、写真でご紹介します。

“歌う”ステファン・ランビエール

アフター・ショー・パーティーでもその人気ぶりが伺えたランビエール元選手。

なんとパーティーではステージに上がり、大変貴重な歌声を披露!

 ボブ・ディラン(Bob Dylan)の珠玉の名曲「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(Knockin’ on heaven’s door)」を、驚きの美声で感情込めて歌い上げてくれました。

 ランビエール元選手が繰り出した突然の生歌で、観客の盛り上がりは最高潮に。嵐のような拍手と喝采を浴び、会場は熱気と興奮の渦に包まれました。

 バンドの生演奏と共にリラックスした様子で歌を歌うステファン・ランビエール元選手の様子がこちらの動画でご覧いただけます。

弊社スタッフがランビエール元選手にインタビュー

 実はランビエール元選手は現在、あるジュニア選手のコーチを務めています。それが日本のフィギュアスケート界期待の新星、島田高志郎選手。 2017年に練習拠点をスイスへ移転、元世界王者の指導で才能を花開かせ、4回転トウループを成功させるなどの活躍を見せています。

 公演後のパーティー会場で、ランビエール元選手に島田選手についてお話を伺いました。

Q: 島田選手の調子はどうですか?

ランビエール元選手: とても調子が良いよ。彼は今、ドイツのオーベルストドルフ(Oberstdorf)にいるんだ。明日試合があるからね。

 頼もしいコーチは親指を他の指の間に入れて、握りこぶしをつくる仕草を見せました。 スイスでは、「幸運を祈る、Good luck!」の意味を持つジェスチャーです。

 翌日8日、オーベルストドルフで開催されたフィギュアスケートのババリアン・オープン(Bavarian Open)で、男子ショートプログラム(SP)が行われました。島田高志郎選手は69.29点で2位と好発進!

Q: 島田選手のどこに魅力を感じ、サポートするようになったのですか?

ランビエール元選手: 高志郎が小さい時にダボスの大会で滑っているのを初めて見た時、素質のある選手だなと思った。その後、日本で再会し、コーチをする話になったんだ。彼は小さい頃からとてもスケートが上手だった。

Q: 2年前のAOI2017では、サラ・マイヤー元選手と共にインタビューさせてもらいました。その節はありがとうございました!

ランビエール元選手: このホテルでのインタビューだね。覚えているよ。

と、極上の笑顔で締めくくってくれました。

↓ こちらが2年前のインタビュー記事↓

【特別インタビュー】サラ・マイヤー &ステファン・ランビエール

(緊急追記) ランビエール、AOI卒業!

 2003年から毎年、AOIで素晴らしい舞を披露してくれたランビエール元選手。なんと、今年のAOIが彼の最後の出演であったことが分かりました。

 過去AOIを大いに盛り上げてくれた「氷上のプリンス」は、2月17日にバーゼルでの千秋楽を終えた後、自身のインスタグラムを更新。

17年間にも及んだ素晴らしいAOIとのツアーが今日、終わりを迎えた。数々の大切な思い出は永遠に僕と共にあるでしょう。ありがとう!

 僕にとってはこの章(AOI)を閉じ、スイスや海外で何か新しい氷上のプロジェクトを創る時だ。僕を支えてくれる全ての方々に感謝している。

 この突然の表明に、世界中から驚き、戸惑い、また惜別の声が数多く寄せられました。

 17年間AOIを支え続けてきた、絶対的存在であるランビエール元選手。彼なくして迎える来年、2020年のAOI25周年はどうなるのでしょう。その歴史を塗り替えるような、ちょっとした「革命」がおきるのでしょうか。

 そして、ランビエール元選手の言う「新プロジェクト」とは何なのか。新たな物語を見せてくれそうな大スターから、今後も目が離せません。

チューリッヒ公演ハイライト

Art on Ice 2019 アート・オン・アイス ハイライト(長編)

ステファン・ランビエール

 2006年のトリノ五輪で銀メダル、世界選手権ではスイス人初となる2連覇達成と、輝かしい経歴を持つステファン・ランビエール(Stéphane Lambiel)元選手。

 前出のソウル・ポップ歌手、ステファニー・ハインツマンの「もうすぐステファン・ランビエールがやって来る!」というナレーションに、元世界王者の登場を今か今かと待ち望んでいた観客から大歓声が上がりました。

 白と黒のエレガントな衣装に身を包んだ彼がリンクに飛び出すと、会場のボルテージは最高潮に。

 ハインツマンのパワフルな歌声に合わせ、力強く華麗なジャンプやスピン、躍動感のあるステップを披露しました。

 後半は、失恋バラードの名曲「グッバイ・マイ・ラバー(Goodbye My Lover)」でのソロ演技。前半のポップな雰囲気から一転、ジェイムス・ブラントの切ない歌声と見事にシンクロしたランビエール元選手の繊細な演技に、会場は静まり返って一心にその姿を追いました。

 彼が全身全霊で表現する悲しい物語に、思わず胸が締め付けられます。音楽の持つ世界観を高度な技術と演技力で表現することにおいて、ランビエール元選手の右に出る者はいません。

 AOIの最高経営責任者(CEO)であるオリヴァー・ヘーナー(Oliver Höner)氏も、「ステファンは、天の賜物」と、その類まれな才能を絶賛。スイス・ヴァレー州出身の「氷上のプリンス」は、その至高の演技力で今なお世界を魅了し続けています。

Art on Ice 2019 アート・オン・アイス

ステファン・ランビエール特集編

ケイトリン・オズモンド

 前半のトリを飾ったのは、実力と美貌を兼ね備えたカナダ出身のフィギュアスケーター、ケイトリン・オズモンド(Kaetlyn Osmond)選手。

 2014年ソチ五輪団体戦銀メダル、2017年世界選手権2位、2018年平昌五輪団体戦金メダル、女子シングル銅メダル、2018年世界選手権金メダルなど、数々の実績を残しています。今季休養を表明している彼女のAOI出演に、多くのファンが歓喜の声を寄せました。

 特筆すべきは出番の後半、ジェイムス・ブラント「ステイ・ザ・ナイト(Stay the Night)」で披露したペアプログラムでした。ひと夏の恋を描いたリズミカルなラブソングに、オズモンド選手のダイナミックで躍動感に満ち溢れた滑りが見事にマッチ。

 氷上に置かれたベンチで、猛烈にアプローチをかける男性を小悪魔風にコミカルにあしらう場面から、ショーマンシップに溢れる一面が随所に。最終的に恋愛へ発展していくエンディングへと、観客をどんどん引っ張っていきます。終始笑顔で楽しさが伝わってくる軽快なステップが、実に見事で魅力的でした。

ジェイムス・ブラント

 イギリスが誇るシンガー・ソングライターのジェイムス・ブラント(James Blunt)は、2004年の1stアルバム「バック・トゥ・ベッドラム(Back To Bedlam)」収録の「ユア・ビューティフル(You’re Beautiful)」が世界中で大ヒット。 日本でもCM曲やドラマの挿入歌などに使用され、誰でも一度は耳にしたことがあるはずの名曲です。

 さらにその後も「1973」,「Stay The Night」,「Bonfire Heart」など、発表した楽曲が次々にヒットチャートで1位を獲得しました。

 これまでに、全世界で累計2,000万枚超えのアルバム・セールスを記録しています。 また、10年前からスイスのヴァレー州にある世界有数の高級リゾート地、ヴェルビエ(Verbier)に住んでいることも、知る人ぞ知る事実。ヴェルビエでの生活でフランス語も少し話せるようになったという彼は、「スイスは僕の第二の故郷」とも話しています。

 第一声から、聴く人をその曲の世界に引き込んでしまう圧倒的な声音。その声が紡ぎ出す様々な物語を、トップスケーターたちの高度なスケーティング技術と豊かな表現力が、完璧に視覚化していきました。

 今回使用されたジェイムス・ブラントの名曲の数々は、どれも繰り返し何度も聴きたくなってしまう、そんな魅力を持っています。AOIはまさに、視覚と聴覚に訴える究極のエンターテイメントなのです。

今回使用されたジェイムス・ブラントの名曲

  • You’re Beautiful
  • 1973
  • Same Mistake
  • Bonfire Heart
  • Stay The Night
  • Goodbye My Lover
  • Carry you Home
  • Postcards
  • When I Find Love Again
  • Heart To Heart
  • OK

過去に出演したスケーターたち

 数あるアイスショーの中でも、世界で最も成功を収めていると称されるAOI。毎年、この公演に世界中からトップクラスの選手たちが集結します。 もちろん、日本人有名スケーターたちも出演を果たしています。過去にAOIに出演した豪華キャストを振り返ってみましょう。

高橋大輔選手

 2010年バンクーバー五輪銅メダリストで日本が誇るトップスケーター、高橋大輔選手。昨年7月、引退から4年ぶりに現役復帰して大きな話題となりました。 昨年12月の全日本選手権では見事、準優勝。32歳の華麗なる復活劇に、日本だけでなく世界から次々と賛辞が贈られたのは記憶に新しいところです。

 高橋選手は2015年と2017年のAOIに出演しています。AOI2017ではランビエール元選手と共演。現役時代、常に会場を沸かせたその華麗なステップの健在ぶりをアピールし、大きな注目を集めました。

Art on Ice 2017のハイライトはこちら

 一方ソロでは、大都会ニューヨークの片隅で細々と生きるホームレス役を熱演し、悲哀や無念、戸惑いを氷上で見事に表現。まるで映画のワンシーンを見ているような演技で観客を引き込み、会場を沸かせています。

 その高橋選手の、20年に及ぶ軌跡を追ったドキュメンタリー&演技集のDVDは必見。 ジュニア時代から世界選手権、全日本、オリンピックなどでの活躍を収録、その素顔に迫ったプライベート映像も満載。 彼のファンのみならず、フィギュアスケート、スポーツ、芸術を愛する全ての人に、保存版として是非手元に置いてほしい一枚です!

荒川静香元選手

 2006年トリノ五輪で、日本人スケート選手として史上初の金メダルを獲得した荒川静香元選手。彼女の代名詞とも言える、深く上体を反らした「レイバック・イナバウアー」は、日本だけでなく世界中の観客を魅了しました。

 引退後はアイスショーの出演にとどまらずプロデュース側に回ったり、テレビ解説や日本スケート連盟の副会長に抜擢されたり。競技の第一線から退いた後も、フィギュアスケート界でスポットライトを浴びるプロスケーターとして、多彩な活躍を続けています。

 AOIへの出演は2005年、2008年、2009年、2011年、2013年と、日本人選手として過去最多の5回。指の先まで行き届いた繊細で優雅な演技力、流れるような美しいジャンプ、そしてレイバック・イナバウアー…。荒川元選手の素晴らしい演技は、スイスでも高い評価を得ています。

 いま「#10yearchallenge(10年チャレンジ)」というハッシュタグがSNSで話題を呼んでいますが、AOI公式インスタグラムは2009年(10年前)の彼女の写真を公開して話題を集めました。

 ランビエール元選手も荒川元選手について「彼女のスケートは完璧。まるでリンクの上を飛んでいるよう。夢のように上手く、しかもとても簡単そうにやってのける」とその能力を絶賛しています。

エフゲニー・プルシェンコ元選手

 2006年トリノ五輪金メダル、2002年ソルトレークシティ五輪及び2010年バンクーバー五輪銀メダル、2014年ソチ五輪団体戦金メダル。世界選手権優勝3回、欧州選手権優勝7回、グランプリファイナル優勝4回。

 まさに圧巻の強さを誇り、「氷の皇帝」とも称されるロシア出身のエフゲニー・プルシェンコ(Evgeni Plushenko)元選手。 AOIには、2004年、2005年、2007年、2010年、2011年、2016年、2018年に出演、特に、ライバルとして互いに凌ぎを削ったランビエール元選手との豪華共演は話題を集めました。

 またプルシェンコ元選手は、日本のエース羽生結弦選手が長年憧れている人物としても知られ、彼のスケート人生に多大なる影響を与え続けてきたことは有名です。

 昨年のGPシリーズロシア大会では羽生選手が、敬愛するプルシェンコ元選手伝説のプログラム「ニジンスキーに捧ぐ」をモチーフにしたフリープログラムで見事優勝しました。

 なぜ「伝説のプログラム」とまで言われるのか、それは、旧採点法時代に芸術点で全ての審査員が6.0点を付け「オール満点」をという快挙を達成したからです。

 そんな伝説の演目「ニジンスキーに捧ぐ」が収録されている、大変貴重なDVDがこちら。

トリノオリンピック以前の大会やエドウィン・マートン(Edvin Marton)とのアイスショー「ライブ・オン・アイス(Live on Ice)」の演技をたっぷりと42分収録。ファン必見の保存版DVDです。

来年の出演者は誰?

 来年2020年のAOIは、記念すべき25周年を迎えます。大きな節目となるアニバーサリーイヤーには、特別なゲストの出演に期待が膨らむところです。

来年に期待!来年の出演者は誰?

 日本の男子フィギュアスケートで最も注目されている選手と言っても過言ではない羽生結弦選手。彼ならではの優雅な舞いを、世界最高峰のアイスショーで是非とも見てみたい!AOIへの出演を期待するそんな声が、早くも上がっています。AOI運営側にとっても、その話題性・実力の高さから、最も出演を依頼したい選手の一人ではないでしょうか。

AOIのおすすめ楽譜

エドウィン・マートン

 ハンガリーの作曲家・ヴァイオリニストであるエドウィン・マートン(Edvin Marton)は、これまでプルシェンコ元選手やランビエール元選手など多くのフィギュアスケート選手に楽曲を提供してきました。

 プルシェンコ元選手の伝説のプログラム「ニジンスキーに捧ぐ」で使用された「アート・オン・アイス(Art on Ice)」も、エドウィン・マートンの作曲。さらにプルシェンコ元選手を敬愛する羽生結弦選手の新フリープログラム「オリジン(Origin)」でも、同曲が使用されています。(前出のエピソード参照)

 「アート・オン・アイス」は、こちらのアルバム「氷上のヴァイオリニスト~ストリングス ’n’ ビーツ」に収録されています。

ランビエール&ラリッサ・エヴァンス

 実はアート・オン・アイス2013の公式ソング「リヴ・ユア・ファンタジー(Live Your Fantasy)」は、スイス人歌手ラリッサ・エヴァンス(Larissa Evans)とのデュエットソングとして、ランビエール元選手が歌っています!

 本人も出演するプロモーションビデオはこちら。アイスショーのシーンも挿入され、ランビエールファンには堪らない仕上がりです。

ジェイムス・モリソン

 イギリス出身でヨーロッパを中心に高い人気を誇るジェイムス・モリソン(James Morrison)。ランビエール元選手が長年のファンであることを公言していることでも知られています。

 2017年のAOIのメイン歌手として迎えられ、ランビエール元選手や高橋大輔選手とも生演奏によるコラボレーションを実現しました。

 ランビエール元選手の楽曲「セイヴ・トゥ・ザ・ミュージック(Slave To The Music)」や高橋選手がホームレス役を熱演した楽曲「パーソン・アイ・シュドゥハヴビーン(Person I should Have Been)」が、こちらのアルバムに収録されています。

エミリー・サンデー

 イギリス・スコットランド出身のシンガー・ソングライター、エミリー・サンデー(Emeli Sandé)は、ロンドン・オリンピックの開会式、および閉会式でパフォーマンスを披露するほどの圧倒的な歌唱力の持ち主。 AOI2018では、メイン歌手に大抜擢されました。

 ランビエール元選手のソロで使われた「リード・オール・アバウト・イット(Read All About It)」は、全英1位シングルに輝いています。このアルバムを聴けば、美しく力強い彼女の歌声に魅了されること間違いなし。

 名高いトップミュージシャンと一流フィギュアスケーターたち、その見事なコラボレーションが生み出す世界最高峰のアイスショー、AOI。

 高難易度なジャンプなどに重点が置かれる競技とは違い、のびのびと、そして生き生きと演技する選手たちの表情に接することができる、それもアイスショーが持つ最大の魅力の一つです。

AOIは、まさにエンターテイメントのトータルパッケージ

 もしかたら会場には、熱狂的なランビエールファンはもちろん、若き日に「You’re beautiful」を何度も聴いて感傷に浸った中年世代がいたかもしれません。クラブで流れたハインツマンの曲で盛り上がった学生や、オズモンド選手に憧れる娘を持つ母親が歓声をあげていても、不思議ではないでしょう。

 それぞれのバックグラウンドを持つ1万人の観客を、わくわくさせたり、驚かせたり、笑わせたり、時には涙させたり、勇気や希望を与えたり…。

 様々な感情を湧き起こし、深く心を動かす魅惑の時空間が、そこにはあります。 その夢の世界に来たようなめくるめく高揚感に誘われ、観客は次の年もAOIへ足を運びたいと願うことになるでしょう。

イベント告知:Art on Ice 2018〜氷上で独創的な世界観を創出するアート〜

レポート記事:Art on Ice 2018 レポート

レポート記事:Art on Ice 2018 アフター・ショー・パーティーのレポート

主催&協力: Art on Ice Production AG
執筆・編集:Chika Bless, Yuko Kamata
写真:Chika Bless, Yuko Kamata
動画編集:Chisato Mochizuki

最新情報をチェックしよう!
Sponsored Link