心と体を温めてくれる、スイスのクリスマスマーケット5選

 4つの語圏を持つスイスでは、地域特有の文化や特産品、人々の生活や様子を感じるのも楽しみの一つです。地元の人々にとってこのイベントは、長く寒い冬に家族・友人と熱々のワインやおしゃべりを楽しみ、心と体を温める憩いの場。今回はドイツ語圏4ヶ所に加え、イタリア語圏1ヶ所をご紹介します。

バーゼル(ドイツ語圏)

バスラー・ヴァイナハツマルクト(Basler Weihnachtsmarkt)

 スイス最大、ヨーロッパ最大級と謳われるマーケット。旧市街のバールフュッサー広場(Barfüsserplatz)とバーゼル大聖堂(Basler Münster)前のミュンスター広場(Münsterplatz)に光輝くツリーが約100本並び、180以上のヒュッテが軒を連ねます。

 クリスマスオーナメント専門店「ヨハン・ヴァンナー(Johann Wanner)」創作の巨大ツリーも必見。英国王室のクリスマスオーナメントを手がける彼らの珠玉の技がご覧になれます。バーゼルの銘菓レッケルリ(Läckerli)、ケーゼキエフリ(Käsekiechli、チーズタルト)もお忘れなく。

「2017年度 最も素晴らしいヒュッテ」として表彰された、おすすめのお店

Änis-Paradies
クッキー型「モデリ(Modeli)」のお店 (*写真上)

The Pretty Sixty Store
クリスマス関連グッズのお店

Kulpa Weihnachtskugeln
手描きのクリスマスオーナメント用ガラスボールのお店Feuerzangenbowle
ラムと棒状の砂糖に火を灯して飲むお酒のスタンド

マーケット情報についてはこちらをどうぞ。
Basler Weihnachtsmarkt

ザンクト・ガレン(ドイツ語圏)

ザンクトガラー ・クリストキンドゥリ・マルクト(St. Galler Christkindlimarkt)

 バスの停留所があるボウル(Bohl)周辺に約120の屋台が並ぶアットホームなマーケット。「星の街」と呼ばれるこの街らしく、約700の星型ランプがあちこちに散りばめられていて、クリスマスムードを一層盛り上げます。その美しさは、過去に「スイスで最も美しいクリスマスイルミネーション」に選ばれたほど。

 併せて鑑賞したいのが修道院周辺です。巨大ツリーと厳かなバロック建築の大聖堂、そして世界遺産にも認定されている附属図書館(Stiftsbibliothek)は見応え抜群。1日から24日まで毎日開かれるアドヴェントカレンダーは、小さな音楽コンサートで、17:00〜17:45の間、6歳から17歳の子供たち24人が1人ずつピアノなどの演奏を披露してくれます。

マーケット情報についてはこちらをどうぞ。
St. Galler Christkindlimarkt, St. Gallen

ルガーノ(イタリア語圏)

メルカティーニ・ディ・ナターレ(Mercatini di Natale)

 スイス南部にあるティチーノ州最大の街ルガーノは、湖畔にあるのどかなリゾート地。冬でも雪が少なく、スイスにしては温暖で静かな街ですが、クリスマスシーズンは様子が一変、ライトアップされた街は音楽が響き渡り、イルミネーションで彩られます。

 リフォルマ広場(Piazza delle Reforma)とチェントロ・チッタディーノ(Centro cittadino)で1月7日まで開催されるので、クリスマス当日はもちろん、大晦日に響く鐘の音や新年を祝う打ち上げ花火などが体験できる貴重なメルカート(伊:Mercato, マーケット)。

 アイススケートリンク、パルコチアニ(Parco ciani)に作られた子供のための「村」、数々のプログラム、コンサートなどイベントももりだくさんです。

マーケット情報についてはこちらをどうぞ。
Mercatini di Natale

アインジーデルン(ドイツ語圏)

アインジードゥラー・ヴァイナハツマルクト(Einsiedler Weihnachtsmarkt)

 中世から現在まで、キリスト教徒の巡礼ルートとして多くの巡礼者が訪れる街。修道院を中心としたこの街で開催されるマーケットには、より厳かで敬虔な雰囲気が漂います。

 駅前から中央通り(Hauptstrasse)、修道院前広場(Klosterplatz)に渡る約400mに約100本のツリーと約140の屋台が並び、規模は中央スイスで最大。修道院の中にある「黒いマリア様」も一見の価値ありです。

 また、近場の博物館「ジオラマベツレヘム(Diorama Bethlehem)」には、世界最大のヴァイナハツクリッぺがあり、450以上の木製の人形でキリスト生誕を表しています。お腹がすいたらこの街に17世紀から伝わる銘菓、シャフボック(Schafbock)をどうぞ。

マーケット情報についてはこちら。
Einsiedler Weihnachtsmarkt

シュタイン・アム・ライン(ドイツ語圏)

クリスマスマーケット・シュタイン・アム・ライン(Märlistadt Stein am Rhein)

 スイス北部、ライン河のほとりに面するこの街は、中世の面影を色濃く残す美しい一帯にあります。ライン河やホーエンクリンゲン城(Burg Hohenklingen)もライトアップされ、まるでおとぎの国に迷いこんだような気分になるほど幻想的で、グリム童話の「ラプンツェル」を彷彿とさせます。

 1007年頃に建てられた聖ゲオルゲン修道院(Kloster St. Georgen)の古い城壁の間で開催される、昔ながらのマーケットも見ものです。赤いガウンを纏ったニコラスと従者シュムッツリが、市庁舎前の広場にやって来ることも。

  中世の服装をした人々が工芸品を販売したり、鉄を打ったり、日々の生活をする様子は、まるで何百年も昔にタイムスリップしたようです。

マーケット情報についてはこちらをどうぞ。
Märlistadt Stein am Rhein, Schaffhausen

 今回ご紹介した5ヶ所を含め、各クリスマスマーケットに共通する点と、それぞれの個性が現れている点を感じるのも醍醐味といえるでしょう。

 お土産やギフトを探すのにも最適ですし、腹ごなしに寄るだけでも楽しめます。みなさんも心と体を温めにぜひ足をお運びください。


編集:Yoriko Hess,Yuko Kamata
写真:Yuko Kamata

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