南スイスの絶景おいしいとこ取り!イタリア語圏の山モンテ・バー

人ごみを避けて向かう、絶景スポットへのお散歩

 南スイス・ティチーノ州カプリアスカ(Capriasca, Ticino)という小さな町には、人々から親しまれているハイキングスポット、標高1,816mの山モンテ・バー(Monte Bar)があります。この山の魅力はティチーノ最大都市ルガーノ市内から約10kmと気軽に行ける範囲にありながら、日常を忘れさせてくれるような絶景を望める穴場スポットというところ。

 わたしがこの山に足を運んだのは3月上旬の休日。

 今の現状、街や人が集まる場所に行くのは避けていたというのもありますが、だったら尚更スイスらしい綺麗な景色を見たい!自然の中でおいしい空気を思いっきり吸いたい!ということで気分転換も兼ねて出かけることにしました。

 モンテ・バーはとても人気のスポットなのですが、初心者向けから上級者向けまで数多くの登山ルートがあるので、殆ど人とすれ違う事もなく、とても静か。自分に合ったペースで、各自思い思いの登山を楽しむ事ができます。

トレッキングシューズを履いて、初心者用コースで山頂まで

 今回ご紹介するのは登山初心者の方や女性でもチャレンジしやすいモンテ・バーのハイキングコースです。出発地点からゴールの山頂までは約2kmの道のり。所要時間は約2時間でした。

 3月でもまだ山の道には雪が残っていて、まだ凍っている箇所も。訪れる際は、季節問わず滑りにくいとされる、靴底のしっかりとしたトレッキングシューズ着用をおすすめします。

 この日、モンテ・バーへはふもと町カプリアスカにあるアルペ・ロンピアゴ(Alpe Rompiago)という小さなファームハウスの近くにある駐車場に車を停めて歩き始めました。この駐車場より先が登山道になっていて、山頂まで道なり進んでいけるので迷うこともないでしょう。

 このコースは、森の中を通らないため、常にひらけた景色を見ながらのんびりと歩くことができます。出発地点から約1km程はアスファルトと舗装された砂利の道が続き、その先も比較的緩やかな道なので、雪がなければ小さな子ども連れでも安心して歩けそうです。

雪が残っている場所も、快晴の日ならかなり快適!

 この日は朝9時半頃から登り始め、天気は快晴、青空と雪のコントラストがとても綺麗に見えていました。空気は澄んでいてかなりひんやりとしていますが、太陽の日差しが強いので歩いているととてもぽかぽかして暑いぐらいです。

 標高が高くなるにつれて積雪も深くなり、慣れていないと歩き辛さも感じました。ですがそんな事も忘れさせてくれる様な美しい景色を見ながらの登山は格別です。

 ここからは南の方角にルガーノの街、ルガーノ湖(Lago di Lugano)、さらにはイタリア・ミラノ(Milano, Italia)まで見渡す事ができました。この絶景と記念写真が撮れる、木でできたフォトフレームが設置してあるのも写真好きには嬉しい計らい。道中には所々ベンチもあるので、そこで景色を見ながら休憩を取ったり、持参したお弁当を食べるのがおすすめです。

 私は時々休憩したり立ち止まって写真を撮りながら、のんびりと歩き午後12時前に山頂に到着しました。ここからは目を見張る様なパノラマの絶景が広がっています。

山頂からの絶景は、まるで「南スイスのいいとこ取り」

 山頂からは、ルガーノやイタリアの風景はもちろん、ガタガタとした岩肌が印象的なルガーノ近郊の山デンティ・デッラ・ヴェッキア(Dinti della Vecchia)、遠くにはアルプスの山々を望む事ができました。

 南スイスの絶景をおいしいとこ取りしたような贅沢な景色に登山の疲れも吹っ飛びます。

 そして美しい景色を充分に堪能した後は、下山する途中にあるパンナ・モンテ・バー(Capanna Monte Bar)というレストラン施設に向かいました。こちらは2016年、標高1,600mの場所に建設された山小屋で、レストランのみの利用や予約をすれば宿泊も可能なのだそう。

 パンナ・モンテ・バーではコーヒーや紅茶のドリンクの他にも、自家製ケーキ、パスタやリゾット、ミネストローネなどイタリア語圏ならではメニューも頂けるので、こちらで食事をするのもおすすめです。

 わたしも利用させて頂きましたが、店内は清潔感があり店員さんもとても親切、そして絶景を楽しみながら頂くおいしいコーヒーは格別でした。このカパンナ・モンテ・バーで食事する事を目的にハイキングする方も多いというのも納得、私もまた訪れたい!と強く思う素敵で特別な空間でした。

レストランで一休みしたあとは、どのルートで帰る?

 下山は来た道を通って帰るのもよし、せっかくなので別のルートでまた違う風景を楽しむのも良いでしょう。今回ご紹介したルートはハイキングスタート地点まで車で行っていますが、バスをご利用の際は麓町カプリアスカにあるバス停コルティチャスカ・プフィーノ(Corticasca Puffino)からの登山ルートもあるので、自分に合ったプランで楽しむことができると思います。

 絶景からレストランまで、ティチーノの魅力がいっぱい詰まったモンテ・バー。ルガーノを訪れた際は是非足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

*2020年3月23日現在ティチーノ州はコロナウイルスの影響によりレストラン施設が閉鎖しています。おでかけの際は必ず最新情報をご確認下さい。

とろりん
日帰りハイキングがこんなとこでできちゃうなんて、ぜいたくすぎないじょか!?
ショコ太
絶景!写真がすきな人にもいいかもな!

<アクセス>
車:ルガーノ(Lugano)からアルペ・ロンピアゴ(Alpe Rompiago)近くの駐車場まで約25分
バス:ルガーノ(Lugano)駅から約45分
ルガーノ駅バスターミナル北(Lugano Stazione Nord)からARL461番バス乗車、終点テッセレーテ・スタツィオーネ(Tesserete Stazione)下車、同バス停からPost Auto448番バスに乗り換え、コルティチャスカ・プフィーノ(Corticiasca Puffino)下車

<お問い合わせ>
Tourist Office Lugano
Palazzo Civico / Piazza Riforma, 6900 Lugano
+41 (0)58 220 65 00
www.luganoregion.com (伊・独・仏・英)

Capannna Monte Bar
Monte Bar, 6951 Capriasca
+41 (0)91 966 33 22
http://capannamontebar.casticino.ch/(伊・独)

*靴底のしっかりしたトレッキング・ハイキングブーツをおすすめします。
*ハイキングコースは、初心者から上級者までのコースがあります。どのルートが自分のレベルに合っているかを理解、判断してから、出発前に地図で行動ルートをしっかり把握してからお出かけください。
* ハイキング中に、遭遇する放牧牛や山羊などがいる牧草地の中に入らないようにしましょう。牧場付近にある柵には、弱電流電線が設置されている場合がありますのでご注意ください。

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