豪華ゲストに会える!アート・オン・アイス25周年公演&アフターショー・パーティーをレポート!

25周年の今年はキャスト勢が豪華!

 2020年2月6日、満員御礼のチューリッヒ会場は、開演前から熱気に包まれていました。

 世界を舞台に活躍するトップスケーター達や大物歌手など豪華出演者が氷上で共演するアイスショー、アート・オン・アイス(Art on Ice、以下AOI)が今年も開幕!

 記念すべき25周年を迎える今年は、あの世界的なヒット曲「Wake Me Up」でボーカルを務めたアロー・ブラック(Aloe Blacc)をはじめ、ソチ五輪王者のタチアナ・ボロソジャル&マキシム・トランコフ(Tatiana Volosozhar & Maxim Trankov)ペア、アイスダンスで世界トップレベルのヴィクトリア・シニツィナ(Victoria Sinitsina)とニキータ・カツァラポフ(Nikita Katsalapov)ペア、などの豪華キャストが勢ぞろい。さらに、とりわけ大きな注目を集めたのが、ロシアが誇る17歳のオリンピック金メダリスト、アリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova)選手の初出演です!

 そして現役時代は羽生結弦選手の良きライバルとして知られたハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez)元選手も出場予定でしたが、残念ながら練習中の背中の怪我により、すべての公演を欠場することがショー開幕直前に発表されました。残念です!

 さて、今年もスイス情報.comがチューリッヒ公演初日及び豪華なアフターショー・パーティーのレポを現地からお届けします。

会場はフードの種類が豊富。コースディナーを楽しむこともできます

 アイスショーの会場となるチューリッヒの屋内競技場(Hallenstadion Zürich)へは、チューリッヒ中央駅(Zürich HB)からタクシーで15分ほど、またはトラムで約17分ほどで到着します。ショー開始2時間前には来場者の入場が始まりました。

 会場内には、レストラン5軒、テイクアウトメニューを提供する軽食スタンドが約20軒、バー3軒と飲食設備も充実しています。

 軽食スタンドのメニューは、ホットドッグと並びスイスの野外食の定番である「ブラートヴルスト(Bratwurst)」とよばれる焼きソーセージから、フライドポテト、ピザ、各種サンドイッチ、ハンバーガー、スイス料理のフライシュケーゼ・ポテトサラダ添えなど。

 ブラートヴルストは表面に焦げ目がしっかりつくまで焼かれており、パリッとした食感で、それでいて中はとってもジューシー。日本人の口にも合うクセのないソーセージです。ドイツやスイスなど本場では大人は何もつけずにそのまま、またはマスタードのみでいただくことが多い一品です。もちろん、お好みでワゴンに用意されているケチャップやマスタードなどをセルフでのせていただくこともできます。

こちらはブラートヴルスト、7フラン

 軽食スタンドなどを利用するのも現地の雰囲気が味わえて楽しいですが、きちんとしたお食事を楽しみたいという方におすすめなパッケージも用意されています。VIPチケットとなりますが、3コースディナーやガラ・ ビュッフェなどの豪華な食事や会場の送迎、休憩時間にいただく飲み物付きのスペシャルパッケージを利用すると、より優雅な観賞体験となりそうです。このパッケージは事前のご予約が必要です。

アリーナ・ザギトワ選手も登場!2時間半を超えるアイスショー

 午後20時。観客の照明が落ち、いよいよショーの開演です!

 2時間半を超える公演中、どの瞬間も見落とし厳禁。あまりの迫力にもう瞬きも忘れるほど魅入ってしまいましたが、中でも特に印象深いシーンを振り返ってみます。

 第1幕の中盤、白を基調とした上品で清楚な衣装に身を包んだアリーナ・ザギトワ選手が、スイスの氷の上に初めて舞い降りました。

 イギリス出身のシンガーソングライター、レベッカ・ファーガソン(Rebecca Ferguson)が歌い上げる「Glitter & Gold」の力強い歌声に合わせ、得意のトリプルアクセル(3回転半)も披露し、観客から拍手と歓声が上がりました。

 メロディーに乗ったキレのあるステップとダンス、時に強く、時に繊細で柔らい舞い、若きトップスターのその魅力が遺憾なく発揮されたプログラムでした。

 滑走や着氷で削れ粉々になった氷片が照明に照らされ、暗闇の中、宙に舞い上がる光景は、なんとも幻想的。

 また、ブレード(靴の刃)で氷を削がる「ザッ」という音や、ジャンプから着氷するときの「ドン」という力強い衝撃音が響き、テレビで観るのとは違い、圧倒的な臨場感を味わえます。と同時に、心奪われるような華麗で優雅なフィギュアスケートも、実は激しいスポーツ競技であることを実感させられます。

 そして第1幕の終盤、スイス出身の人気ラッパー、ブリッグ(Bligg)の「Bligg Medley」に合わせて銀盤に登場したのは、バーゼル出身の13歳の少女でスイスの期待の星といわれる、キミー・レポンド(Kimmy Repond)選手!

 13歳とは思えない、完成度の高いダイナミックなジャンプや圧巻の演技を披露し、一段と大きな拍手を集めました。AOIという大舞台での堂々たるパフォーマンスに、スター性を感じられずにはいられませんでした。

 続いて第2幕、氷上に現れたのはアロー・ブラック。圧倒的な歌唱力もさることながら観客の心を掴むステージングで、見る者、聴く者を一瞬で引き込んでしまいます。

 第2幕の終盤、照明が落ち暗くなった会場。スポットライトで照らし出されたのは、第1幕からはガラリと印象を変えた、透け感のある黒レースの新たな衣装を纏ったザキトワ選手。曲は、スイス出身の人気シンガーソングライター、バスティアン・ベイカー(Bastian Baker)がカバーした永遠の名曲「ハレルヤ(Hallelujah)」。

 儚さ、美しさを身に纏いつつも、強さを銀盤で見事に表現し、息を呑む美しさ。途中ジャンプの着氷に失敗する場面もありましたが、見入ってしまうほどドラマチックな滑りで、アリーナ・ザギトワ選手の放つカリスマ溢れるオーラは、まさに別格です。

 ハレルヤの曲が終盤にさしかかると、元アイスホッケー選手だった歌手のバスティアン・ベイカーさんがアイスホッケー用のスケート靴で氷上に登場し、ザギトワ選手とペアダンスを披露!このサプライズ演出には観客も大興奮でした。

ラストはアヴィーチーの大ヒット曲「Wake Me Up」で観客が総立ち!

 フィナーレとなるアンコール曲は、アロー・ブラックがボーカルを務めたアヴィーチー(Avicii)の大ヒット曲「Wake Me Up」!曲のイントロが流れるや否や待ち構えていたと言わんばかりの大歓声!

 アロー・ブラック、レベッカ・ファーガソン、バスティアン・ベイカーそしてブリッグのアーティスト4人全員が登場し、バラードバージョンの「Wake Me Up」を歌い上げる豪華コラボレーションが実現しました。

 そして、最後は演者全員がリンクに登場し、スケーターがそれぞれに得意技を交代で次々と披露するころには、観客は総立ちになり、会場の盛り上がりは最高潮に!

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 こんなにも生き生きと楽しそうに演技をするスケーターたちの表情に出逢えるのは、アイスショーの醍醐味。大きな感動と衝撃そして心地よい余韻を残して、キャストたちはステージを後にしました。

 世界のトップスケーターたちとアーティストの生演奏が織りなす一期一会のコラボレーションによって、競技とは一味違う、フィギュアスケートが持つ表現の美を堪能できるのが、アイスショーの最大の魅力なのかもしれません。

スターが目の前に!華やかなアフターショー・パーティーはチケット制

 初回公演の興奮冷めやらぬまま、「アフターショー・パーティー(After Show Party)」の会場へ移動します。

 公演初日後の夜23時から5つ星ホテル、カメハ・グランドホテル(Kameha Grand Hotel)で開催されるアフターショー・パーティーは、フィギュアスケートが大好きなファンには、まさに夢のようなイベント。

 つい先ほどまで氷上で優雅な演技を披露してくれたスケーターや出演者たちと直接交流ができる、大変貴重な機会です。

 ちなみにドレスコードが設けられており、一般客のほか各種メディア取材陣もドレスコードに添った服装を着用します。ドレスコードは、「カジュアルエレガンス」。カジュアルという言葉がありますが、品のあるドレッシーな装いが相応しいでしょう。

 女性の来場客の多くは、きれいめのワンピースまたはパンツスタイルとパンプスの組み合わせ、男性はダークスーツまたは上品・エレガントな雰囲気のジャケット×パンツのスタイリングが多かったです。

 会場には、チーズやサラミ、サラダなどの前菜からメイン料理、美しく盛り付けられたデザートまでバラエティ豊かなブッフェスタイルのお料理や飲み物が用意されています。

 AOIの誕生から25周年を記念した特別ワインも登場し、会場内で振る舞われました。

 そして時は深夜23時30分、華やかにドレスアップした出演者達が会場入り口に敷かれたレッドカーペットに次々と登場!

 憧れのスケーターや豪華キャストに会えるだけでなく、一緒にグラスを傾けたり話をしたり、これほどまでに贅沢な体験はなかなかないでしょう。

 会場のステージでは終始バンドによる生演奏や行われ、深夜3時頃まで盛り上がります。

アフターショー・パーティーにあなたも参加しませんか?

 AOIのアフターショー・パーティーへ参加するためには、特別販売される入場券が別途必要です。このようなパーティーが開催されるショーは世界でも稀なため、毎年発売してすぐに売り切れてしまう人気チケット。開催日近くになって購入したくても、公式サイトでは販売を行っていません。ご購入を希望される方は、スイス情報.comではチケット購入サポートやスイス観光を含むパッケージプランをご紹介しておりますので、お問い合わせフォームからご連絡ください。

 チケット購入のみのサポートも行っていますが、その他にも、8名までのグループで観賞ができるラグジュアリーなパッケージの販売も受け付けています。AOIのショー観賞とアフターショー・パーティーの参加に加え、こちらは3コースディナー&飲み物&送迎も付いた特別パッケージプラン「Golden Circle」という、セレブ気分が味わえるパッケージ。

 ご参考までに、2020年のチケット料金は、手数料などを含まない「Golden Circle」プランで7,200フランほど(8名分の料金)でした。ですが開催地と開催年、また販売しているプラン内容によって常に価格は変動しています。

 チケット販売サイトは複数あり、ドイツ語・フランス語・英語のいずれか対応となっていますが、そういったサイトでも販売されているVIPプランには各ラウンジ券などもあり、チケットの種類も多様です。せっかく購入したチケットが思っていたものと違った、アフターショー・パーティーに参加できなかった、ということがないよう、慣れていない方はサポート付きでチケットをご購入されることをおすすめします。

AOI観賞ついでに2月のスイス観光もおすすめ

 アフターショー・パーティーは、スイスのAOIだけしかできない「唯一無二」のプレミアム体験。訪れる人々の胸をときめかせる一夜となることでしょう。

 来年も同時期の開催が決定していますので、ショーの観覧を兼ねて来年の2月にスイス旅行はいかがでしょうか?

 スイス情報.comでは、入場券の手配から個人旅行&グループ旅行の企画・アテンドのご用命も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。少人数で行うプライベートなスイス観光ツアーのお手伝いもしております。

おまけ…後日行われたバーゼル公演のようす

 チューリッヒ公演、ローザンヌ公演に続き、バーゼルでは2日間にわたり2公演が行われました。

 会場はザンクト・ヤコブスハレ(St.Jakobshalle)。テニスのロジャー・フェデラー選手が2年連続で優勝を射止めたプロテニスツアートーナメント「スイス・インドア(Swiss Indoors)」もこちらで開催されています。

 ザンクト・ヤコブスハレまでは、バーゼル(Basel SBB)駅からタクシーでは5分、トラムを乗り継いでも20分弱でアクセスできます。ちなみに、バーゼル最寄りの空港ユーロエアポート(Euro Airport)からは、バスに17分も乗ればバーゼル駅に到着できます。

 会場すぐ前にはバス、トラムの乗り場がありとても便利でした。そのため、終演後の混雑具合もひどくなく、ストレスなく移動ができます。

 さて、バーゼル公演会場のセキュリティを越えると、クロークがあります。この時期はコートや防寒具もあり荷物が多くなりがちですが、クロークで荷物を預ければリラックスして観覧することができます(別途料金がかかります)。

 バーゼルの会場内には、他公演と同様、ハンバーガー・ホットドッグ・ポップコーンを中心とした軽食、飲み物を提供するスタンドがあり、開演を待つ観客達で賑わいます。VIPには専用ラウンジやバーもありますので、開演までのひとときをリラックスして過ごせるのではないでしょうか。

 会場はアリーナ席、正面席、また舞台全体が見渡せるよう階段状に座席が配置されています。

 歴史とアートが共存する町バーゼルは、原田マハ氏の小説『楽園のカンヴァス』の舞台にもなったことから、ご存知の方も多いかもしれません。赤い市庁舎や建設1,000年を迎えたバーゼル大聖堂のある旧市街、40ものミュージアムがあり、また興味深い現代建築物も多く、魅力的な要素を兼ね備えています。

 フランスやドイツと国境を有しており、各国から電車でアクセスができることもポイント。パリやフランクフルトからも電車で3時間程度でアクセスができ、またスイス観光で欠かせないチューリッヒ、ルツェルン、ベルンへも電車で1時間程度です。スイス旅行やヨーロッパ旅行のプランに、バーゼルでのアート・オン・アイスと市内観光を組み込んでみてはいかがですか。

<参考サイト>
Art On Ice 2020 チケット販売サイト
Art On Ice 2021 公演予定

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