デジタル時代に鳴り響く鐘の音とは?

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 教会や礼拝堂の鐘は、古くから音で人々に時間などを告げる役割を果たすとともに、 今日もその地域の音色にもなっています。

 ルツェルン(Luzern)の観光スポットで知られるカペル橋のすぐそばに建つ、聖ピーター礼拝堂(Peterskapelle)。この礼拝堂から聞こえる鐘の音は、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう、iPhoneのデフォルト着信音「オープニング」。今、大音量で鳴り響く着信音が道行く人々を驚かせています。

 釣鐘がある鐘塔に音響機器を設置し、スピーカーを通して着信音を流しているのは、ルツェルン応用化学芸術大学(HSLU)のふたりの女学生。アートプロジェクト「Zeitzeichen – time sign」の一環として、現在改装中であるこの礼拝堂にて今月30日まで実施中です。

 このプロジェクトの考案者、クラリッサ・フリュッキガー(Klarissa Flückiger)さんは、「時を告げる鐘の音が携帯の着信音に変わることで、通行人や観光客を驚かせるのはもちろんだが、人々がどのような反応をするのか、また、デジタル化した生活について改めて考えるきっかけにもなればいい」と話します。

 また、教会側も「カトリック教会は伝統を守っているだけでなく、今を見ていることをわかってもらえる。以前は鐘の音が時を告げ、人々の生活を決めていたが、今では携帯の着信音が人生を左右している」と、教会の在り方にも時代とともに変化しつつあるようです。

 さて、ルツェルンの旧市街に鳴り響く着信音を初めて聴いた人たちの意見は、「現代的で独創的」や「礼拝堂のイメージと合わない」など賛否両論。さまざまな意見があるようですが、このプロジェクトを通してデジタル時代における新しい生き方へのヒントが見つかるといいですね。

 


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