野放し家屋の不法占拠

20161005_kumiko_news_19 勝手に建物を占拠して住み始めるのは当然違法ですが、追い出されることもなく、ずっと住み続けている人たちがたくさんいるチューリヒ市内 (Stadt Zürich) です。なんと市内には、こういう建物が約30軒もあるのです。

 なぜ違法に住み始めている人たちが追い出されることもなく住み続けられるのか?その理由はひとえにチューリヒ市の法律にあります。法律によると、建物の所有者から訴えがあり、かつ、所有者が占拠されている建物を再び利用するという証明書を提示して初めて、市の警察は占拠している人たちを追い出すことができる、となっています。

 現在問題になっている、占拠されている建物はチューリヒ市アルビスリーデン地区 (Zürich, Albisrieden) にある建物です。以前は工場として使われていた建物ですが、違法に占拠されてから3年が経ちます。占拠した人たちがコンサートを開いたりするため、今年に入ってからすでに170件の苦情が近所の住人から出ています。

 滑稽なのは、この建物の所有者はチューリヒ市であり、数年後にはここに新しい建物を建てる計画がすでにあることです。それにもかかわらず、占拠している人を訴えていません。その上、苦情を出している近所の住人をなだめすかすために、新しい住居の提供をしたり、パーティーへ招待しようとしたことが判明しました。

 このような市の態度に対し、住民の我慢が限界を超え、ついに市政府も重い腰を上げざるをえなくなったようです。市政府は、次に住民から苦情がでた場合には、占拠者を追い払うと言明しました。違法であるにもかかわらず放置しておく市政府、そして法律改正の必要性を考えさせられる事件です。

 


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