悪名高い地区から、のどかな一角に

swissjoho_baendlistrasse
Bändlistrasse

 チューリッヒ市アルトシュテッテン (Zürich, Altstetten) にあるグルナウ地区 (Grünauquartier)。

 ここは、市内を流れるリマット川 (Limmat) と高速道路や幹線道路に挟まれたところにあります。また、緑が多く小さな小屋の壁には蔦が高く茂り、リスの姿も見られます。

 この地区の中心となるベンドリ通り (Bändlistrasse) には、市民農園、市営のリサイクル場、展示場、老人ホーム、学生用アパート、託児所や学校、教会に公園とたくさんのものがあります。2003年に158人の芸術家たちが13カ月かけて、灰色の場所を明るく彩り、現在は住人から愛される地区となっています。

 しかし、以前は問題のある地区として、常に改善策が議論されていた所でした。地区の評判が悪くなったのは、1972年4月に起きた事件が発端となっています。この事件は、幻覚剤の一つであるLSDを使用した二十歳の若者が、ベンドリ通りにある建物の4階から落ちたことに始まり、その後の警察の捜査により無政府主義者グループの存在発覚にいたったものです。

 このグループは後に「ベンドリ通りのグループ」と呼ばれ、スイス全国で政治的テロを意味する言葉として有名になりました。更に1990年、別の地区にある暖房用の石油タンクの取り壊し作業中に、すでに消滅したこのグループが隠していた弾薬が見つかるという騒ぎもありました。

 こうして、すっかり悪名を着せられたベンドリ通りですが、評判の悪かった昔を想像できないぐらい、今日のベンドリ通りの風景はのどかです。

 


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