(2018年7月30日に公開された記事の再投稿です。)
スイスでの子育てがはじまると、乳幼児のわが子を抱き、外国人ママとの交流を深める機会が増えてきます。そんなとき、わが子に日本語で堂々と話しかけることに「ためらい」を感じる母親は、少なくありません。
今回は、スタッフの体験談や事例を交えながら、母親自身も悩むことが多い「あなたに日本語を習得して欲しい理由」について考えてみましょう。
日本に里帰りをするとき
久しぶりの日本への里帰り。家族や友人との時間を楽しむなかで、子どもが日本語を話せない場合は、随時通訳が必要となります。幼少期はそれでも楽しむことが出来ますが、成長をするにつれて「お母さん、一人で日本に行ってきてね」とちょっぴり寂しい思いをすることも。共に日本を楽しみ、日本の家族と直に会話ができる喜びは、日本語教育なしには半減してしまいます。
将来の自分たちを想像してみる
では、子どもが大きく成長し、ティーンエイジャーと呼ばれる思春期になるころの場面を想像してみましょう。
子どもに寄り添い、自分の想いを自分の言葉でお子さんに伝える自信はありますか。もしも母親が、自身のドイツ語に自信のなさを感じているのであれば、日本語をわが子に教えることは、将来の自分のためにも繋がるはずです。
子どもには、日本語を学ぶチャンスがある
母親が日本人であるということは、子どもは産まれた時から自然と日本語を学べる環境にあるということです。
これはわが子に与えられたある種の試練であり、大きな幸運でもあります。大人になってから、このチャンスを逃したことへの後悔を口にするよりかは、自身と子どもを信じて、この機会を生かすことが先決です。
2つの国のルーツを持つ子ども達が、将来自身のアイデンティティをおぼろげに感じ、見失うようになった時、日本語が話せることで、救いの選択肢の幅が広がるかもしれません。
また、自分の国の言葉をどうにか知ってほしいと願う母親の率直な想いは、ごくごく普通の親心です。子どもの性質と母親自身の状況をきちんと見定めることが、なにより大切です。
*上記の記載内容は、一個人が過去に体験したことをもとにしています。 あくまでもご参考までにご活用ください。