「食」を支えるアッペンツェルの牛たち

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 スイスのチーズでおなじみのアッペンツェラー(Appenzeller)は、東部に位置するアッペンツェル州で作られるチーズでもよく知られています。その原料となっているアッペンツェルの牛たちが、牛のコンテスト(Viehschau)に大集結しました!

今月のコラムでは、このアッペンツェル地方で知られている「牛のコンテスト(Viehschau)」をご紹介します。

| フィーシャウ ( Viehschau )とは?

 1950年以降、毎年秋に行なわれるアッペンツェル秋祭りの期間中に開催される牛のコンテストです。ドイツ語で「牛のショー」という意味ではありますが、実際の会場を目にしてみると、展示会、展覧会やショーというよりは、同地域で飼育される牛たちが賞金と今年の最優秀牛認定を獲得するための「コンテスト」と表現した方が適正かもしれません。

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 アウサーローデン(Ausserrhoden)とインナーホーデン(Innerrhoden)の2つの準州で形成されるアッペンツェルでは、両準州で同じようなコンテストが開催されていますが、中でもこのアッペンツェルのコンテストは、知名度もあり、規模的には大きいイベントとされています。

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| 駐車場からコンテスト審査会場へ

 アッペンツェル駅から徒歩10分くらいのところにある、牛のコンテスト会場でもあるブラウアライ広場(Brauerei Platz)。通常ここは、レストランや会社が並ぶ向かいにある車の駐車場として利用されていますが、この時期になるとこの広場は、100頭近い牛たちのコンテスト審査会場と様変わります。首には大きなベル、頭には花飾りをつけた牛や、アッペンツェルの鮮やかな色合いの伝統衣装を着た牛飼い夫たちを一目見に、大勢の見物客で賑わいます。

| 牛の審査に注目する男性たちの目

 この日は、早朝から牧場で飼育をする男性たちが会場まで、何十キロも離れた各村の牧場から、コンテストのに参加する牛たちを引き連れてきます。そして、連れてきた雌牛と雄牛たちの「外見」や「パフォーマンス」を、審判員達が評価し始めます。審査基準は、ほかにも牛の繁殖効率、背線(背中のライン)が湾曲していないか、採食の量や乳量などがあるようです。

 最優秀賞の発表が行なわれたのは、日が暮れかけた夕方。最終的にタイプや種類などの部門別で勝ち進んだ牛たちが、審査員の周りを取り囲むように歩き回り、そこで審査員は10分程の時間の中で最終審査を行ない、部門別の最優秀賞が沢山のひとに囲まれるなかで発表されます。(写真下、最優秀牛認定書とプレート)

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| 喜びを隠せない牛たちの表情

 コンテストのフィナーレは、賞を獲得した牛たちを皮切りに、各牧場へ牛たちが帰っていくのを観客たちが見送ります。雨が激しく降るなかで、これから牛たちを率いる牛飼い夫が、何十キロも先にある牧場まで歩き続けるのです。

 この日、一日中会場で立ちっぱなしだったためにイライラを隠せなかった牛たちは、この瞬間を待っていたかのように、踊り上がりながら一斉に走り出していました。

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| 感謝の気持ち

 今では当たり前のように食べれるチーズや食肉ではありますが、私たちの「食」を支える牛や繁殖・飼育農家の人たちのおかげではないでしょうか。

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 近年各国で、まだ食べられる食品や残飯を含める食品廃棄物削減への取り組みが行なわれていますが、私たち一人一人がこの「感謝の気持ち」を持って食べることが、食べ残しをなくしていく為のひとつの方法でもあるかもしれません。

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 アッペンツェル秋祭り開催期間中は、同会場で牛だけではなく、ヤギや羊のコンテストもあります。スケジュールをご確認の上、スイス旅行また近くにいらした際には、ぜひお立ち寄りください。

スイス情報では、他にもスイスで開催される様々なイベントをご紹介していますので、こちらのスイス情報イベントカレンダーをご覧ください。

【注意】
*牛コンテスト会場付近は、麦わらが敷かれ歩きやすくはなっていますが、足下が汚れる可能性があります。歩行の際にはご注意ください。
*牛との距離を十分にとり、あまり近づき過ぎないようにしてください。
*来年のアッペンツェル秋祭りのイベント詳細は、スイス情報イベントカレンダーのこちらをご覧ください。

Photo by Yuko Kamata


「「食」を支えるアッペンツェルの牛たち」への3件のフィードバック

  1. はじめまして、こんにちは。牛のショーの記事大変興味深く読ませて頂きました。
    アッペンツェルのはまだ行った事ないのですが、春と秋には各地でよく行われているので
    牛のショーには何度も行っています。

    ドッグショーなどと言われるように動物のコンテストは「○○ショー」と呼ぶようです。
    牛のショーは各地によって規模が違いますが、民族衣装を着た子供たちと飾り付けをした
    仔牛の部門がある地域もあって、それが一番の楽しみです!
    牛の仮装コンテストをやったりアルプホルンや旗回しをしたりふれあい動物が来ていて
    ヤギや羊とふれあえたり、屋台も出ていたりと場所によってイベントも色々で面白いです。

    スイスでは他にも動物のショーがいろいろあって羊、ヤギ、モルモット、ラマ、アルパカ
    ウサギ、鳩、犬、猫、鶏のに行った事があります。
    動物が好きな人にはお勧めです!
    画像はチューリッヒで9/26に行われたRegionalviehschauの子供部門画像です。

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