ベーシックインカム試験導入、断念へ

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 以前このコーナーでもお伝えした、チューリッヒ州ライナウ村(Rheinau, Zürich)の「ベーシックインカム」試験導入のニュース。参加者を募ったところ、村の人口の半数を超える770の賛成があり、10月16日からクラウドファンディングで資金集めを開始。しかしながら、どうやら目標金額には届かなかった模様です。

 主催者である映画監督のレベッカ・パニアン(Rebecca Panian)氏が公式ウェブサイト上で発表したところによると、12月4日午後の締め切り時点で集まった金額は約150,000フラン(約1,700万円)。目標金額は6百万フラン(約6億円)以上だったので、2.5%ほどしか集まらなかった計算になります。

 「短期間に、これだけの金額を集めるのはとても難しいことだった」と振り返った同氏。期間中には、様々な企業や財団、慈善家にもコンタクトをとり、支援を頼みましたが、十分な資金を提供してくれる団体は見つからなかったのだとか。「なぜライナウ村の人々にお金をあげる必要があるのか」という疑問も多く寄せられ、プロジェクトの目的をしっかりと周知する必要があったと反省しています。

 しかし、ここまでの活動過程が国際社会に与えたインパクトは大きく、ドイツやポルトガルの自治体からも「ベーシックインカムの導入を考えている」という声が寄せられたとか。 同氏も「ライナウ村で実現できないのは残念だが、様々な人々との出会いがあり、それだけでもやる価値はあった」と話しています。

 今後は、ライナウ村の参加希望者たちとプロジェクトチームの意見交換が行われ、結論が出されることになっています。また、今回の結果を専門家チームと共に分析する予定です。

 十分な資金が集まらなかったのは残念でしたが、議論を呼んだだけでも意義があったといえそうですね。今回の経験を糧に、次はどんなプロジェクトを手掛けるのでしょうか。

 


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