チューリッヒの3教会に纏わる豆知識

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 チューリッヒ(Zürich)の観光名所の1つ、聖ペーター教会(Kirche St. Peter)。100年前、この場所が満員になるほどの出来事がありました。

 その舞台となったのは、ローザ・グットクネヒト(Rosa Gutknecht)とエリーゼ・フィスター(Elise Pfister)の牧師任命式。チューリッヒのみならずスイス、またヨーロッパでも初めてといわれる、2人の女性牧師です。

    作家バーバラ・フッツル・ロンゲ(Barbara Hutzl-Ronge)氏は、「牧師どころか、女性が神学を学ぶことすら、なかなか許されなかった時代。それが認められただけでも、すごいことだ」と当時の様子を語ります。

 ローザさんの初めての職場は、リマト川沿いにあるグロスミュンスター大聖堂(Grossmünster)。しかし、州議員たちが彼女を牧師として採用することに反対したため、助手として勤務せざるを得ませんでした。それでも熱心に仕事に取組み、特に貧しい労働者階級の人々のために力を尽くしたといわれています。

 エリーゼさんは、そこから少し離れたノイミュンスター(Neumünster)で活動。同じく助手としての採用でしたが、比較的富裕層の多い土地柄、自治体も進歩的な考えを持っており、説教や結婚式、洗礼式の執り行いなど、通常の牧師と同じ仕事を任されていたようです。

 法律が改正され、女性牧師が広く認められるようになったのは、2人が亡くなった後の1963年から。現在では、同州の改革派教会(Reformierte Kirche)の3人に1人が女性牧師だといわれています。チューリッヒ観光の際には、隠れた女性牧師の歴史に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。

 

 


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