なぜ?山の事故が急増した理由

 

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 今年の1月から6月までの間、スイスの山で亡くなった方は80人、前年の同時期に比べ2倍も増えたと、山小屋の管理や運営を行うスイスアルペンクラブ(SAC)がチューリッヒ新聞の日曜版(NZZ am Sonntag)で発表しました。

 同クラブのウエリ・モジマン(Ueli Mosimann)氏は、「残念ながら、7月や8月にもハイキングやマウンテンスポーツによる事故が発生しているので、年末には死亡者の数が80人を超える見込みだ」と話しています。

 同時に発表された「山岳事故統計調査(上半期)」の解説によると、事故発生件数が増えた主な要因として、冬に積雪や雪崩が多発したことや、安定した天候が5月末まで続いためにスキーなどを目的して訪れる人が増えたことが挙げられています。

 山を訪れる人が増えれば、発生件数も多くなる傾向があり、特に天候と事故の関係は深く、猛暑だった2015年も事故が多く発生したと言います。

 どのような人が事故に遭っているかと言うと、男性が全体の約4分の3を占めており、圧倒的に男性が多いことがわかりました。また、外国人観光客の割合は全体の約半分を占めているほか、死亡事故が全体の約3分の1となっていることから、単独行動の危険性も指摘されています。

 同クラブでは、単独で入山する際、緊急時に素早く連絡できるよう、あらかじめ携帯を充電し、スイス航空救助隊(Rega)のアプリをインストールするよう薦めています。

 最も致命的な事故は、意外なことにマウンテンスポーツよりも危険度が低いと思われがちのハイキング中に起こるとのこと。同クラブの1984年~2017年の統計調査でも、ロッククライミング中に発生した致命的な事故はたった4%だったのにもかかわらず、ハイキング中は37%と最も高い発生率を示しています。

 このようなハイキング中の事故を防ぐため、スイスハイキングロード連盟(Schweizer Wanderwege)やスイスケーブルカー(Seilbahnen Schweiz)、保険会社などが共同で「山歩きーでも安全に(Bergwandern-aber sicher)」といったキャンペーンを行い、ハイキング時の正しい歩き方や計画の立て方などを説明しています。

 山へ行かれる方は、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。キャンペーンについて詳しくはこちらのホームページをご覧下さい。(独/仏/伊)

 


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