国境を越えスイスで働くドイツ人

 

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 2016年の言葉に選ばれた「ショッピングツーリズム(Einkaufstourist)」。スイスフランの高騰で、ユーロで安く買い物をするためにスイス人が隣国のドイツやフランスで買い物するために殺到する現象を言います。

 この現象により、国境のドイツの町、ボーデン湖(Bodensee)に面したコンスタンツ(Konstanz)では、交通渋滞や店舗での混雑が起こり、スイス人買い物客はあまり歓迎されていません。

 ところが最近、逆にスイスへやってくるドイツからの訪問者数が増えていると、ボーデン湖の国境地域の統計(Statistik für die Bodenseeregion)が明らかにしています。

 同データによると、スイスへやって来るドイツ人訪問者は、連続5年間で増加傾向が見られています。この訪問者数の増加は主に仕事が目的で、2016年は前年に比べ5%増、毎日約2万人が国境を越えて通勤しているとか。

 2万人のうちの約半数がコンスタンツからで、特に人気の仕事先として、ザンクトガレン(St. Gallen)州、トゥールガウ(Thurgau)州、シャフハウゼン(Schaffhausen)州、チューリッヒ(Zürich)州の名前があげられています。

 ドイツの商工会議所(IHK)のペーター・マーグ(Peter Maag)氏は、増加の原因を「車ですぐ通えるアクセスの良さは勿論のこと、やはり給料の高さが背景にある。」とスイスの平均年収の高さを強調。例えば、ドイツのバーデン・ビュルテンベルク(Baden-Württemberg)州で月給が2,700ユーロ(約36万円)だった場合、同じ仕事でも時給(最低賃金)が高いスイスならば、倍近い金額にまで増えることもあり得るでしょう。

 これに対し、コンスタンツの手工業組合(Handwerkdkammer Konstanz)のソニア・ツァイガー・ハイツマン(Sonja Zeiger-Heizmann)さんは、「高額な給料はあくまで額面であり、税金など天引きされた後の手取り額は、かなり減額されるだろう。」と異なった見方をしています。

 また、コンスタンツ市のウルリッヒ・ヒルザー(Ulrich Hilser)氏も、高収入が主な理由ではないと言います。「給料は重要な側面であるものの、スイスではドイツでは見つけられない短時間勤務の仕事に就くことができるのが、大きな要因である。」と分析しています。

 スイスの隣に隣接するドイツ、通貨や物価、仕事条件が大きく異なります。お隣さん同士、良いところも悪いところも、理解し合ってうまく付き合っていきたいですね。

 


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