うつ病、患者数に大きな地域差

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 世界保健機関(WHO)は、2015年の全世界のうつ病患者の数は10年前に比べ約18%増加し、その数は全人口の約4%となったと発表しています。残念ながら、うつ病が世界的に一般的な精神疾患となっているのが現状です。

  スイスでもうつ病は5人に1人が発症し、男性よりも女性に多い傾向があるとスイスの日曜紙「ル・マタン・ディマンシュ(Le Matin dimanche)」が報道しています。同紙は、うつ状態とはストレスと個人的な素因の組み合わせにより起こり、症状には抑うつ気分、興味の欠如や楽しみを感じなくなる、何かをやるエネルギーがなくなってしまうことが挙げられ、程度は人により異なり、重症の場合は自殺につながる可能性もあるものの、投薬や心理療法で治療できると説明しています。

 また、スイス健康局(Bundesamt für Gesundheit)の最新の調査では、患者の数は州による違いが見られ、ドイツ語圏よりもフランス語やイタリア語のラテン語圏の方が多いと分析されています。ラテン語圏で最も患者が多かったのが人口の10.1%を占めるヴォー(Vaud)州、次に9.4%のティッチーノ(Ticino)州、フリブール(Fribourg)州は7.8%で、ラテン語圏の平均は高く8.9%。

 一方ドイツ語圏では、チューリッヒ(Zürich)州が最も多く人口の6.2%、次いでシュビーツ(Schwyz)州が6.1%、アールガウ(Aargau)州が5.8%で、平均は5.5%でした。 

 最も少なかったのは、ドイツ語圏のウーリ(Uri)州で1.6%、次にアッペンツェル・アウサーローデン(Appenzell-Ausserrhoden)州の2.4%と随分州により違いが見られるようです。

 この結果について、精神科の教授マルティン・プライシック(Martin Preisig)氏は、「都市に住んでいる人の方が、知らない人の中での孤独やストレスを感じ発症する傾向が高く、ラテン語圏の人の方が都会的な生活を送っているのも原因のひとつ。」と指摘しています。

 さらにストレスを感じる要因として、チューリッヒ大学精神科クリニック(PUK)のエリッヒ・ザイフリッツ(Erich Seifritz)氏は、ティッチーノ州をはじめラテン語圏での高い失業率や離婚率を挙げています。

 また、ラテン語圏では精神科医で診てもらうことは一般的になっているものの、ドイツ語圏では精神疾患についてはタブー視されているので、病院へ行かず治療をしていないケースが多く統計的には数が少なくなっているとザイフリッツ氏。

 誰でもかかる可能性のあるうつ病。重症になる前に家族や周りにいる人が気づいてあげたいですね。気になったら精神科でなくてもかかりつけのお医者さんに相談してみるのもいいかも知れません。


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