スイス式小学校〜自律と自己責任を学ぶ〜 (3)

swissjoho-education-4338 スイスの小学校における「日本にあって、スイスにないもの」の最終回は、学校行事や給食、連絡網についてです。

 全生徒を一律に扱わず、各個人の文化や考え方を重んじ、結果的に成人した際の自主性や自己責任、自律が育成されていく過程がうかがえます。

学校行事

 遠足はありますが、毎年同じ時期に行われる創立記念、運動会、文化祭などの学校行事がありません。学校独自の行事があり、内容は各学校に委ねられています。 年によって全校生徒でサーカスをすることもあれば、テーマを設けた「プロジェクトウィーク」として普段とは違う活動を1週間ほど行うこともあります。

 保護者と教職員による社会教育関係団体 (PTA) にあたるものも存在しますが、大半が自発的に組織されており、拘束力や規定、役職、仕事などもなく、イベントを手伝うボランティアという感覚です。

学校給食 
 給食も給食当番もありません。昼休みは 1 時間から 1 時間半で、子どもは自宅に戻って昼食をとるのですが、家が遠い、両親が不在で昼食がない等の理由がある子どもはホート (Hort)と呼ばれる建物で食事をとり、休み時間をすごします。

 そこには子どもたちの世話をする職員がおり、食事や片付け、安全の確保に勤めています。給食を作ろうという動きや議論はありますが、実現している自治体や学校は少ないようです。

 移民難民が多いため、多様な文化やルーツを持つ子どもたちが集まっていることも理由の一つです。食文化や宗教的な戒律を尊重すると、給食の献立を作るのが困難になってしまうからです。

 また、スイスではお昼に温かいものを食べる習慣があることと、父親が自宅で昼食をとるケースが多いため、手間のかかる「お弁当」は作らないのでしょう。時代とともに環境も変わってきてはいますが、「昼食は自宅で、家族と食べる」というのが今の大半のスイス人の結論のようです。

学校からの連絡網
 連絡網がないと少し心配になったり、いい加減だと感じたりするかもしれませんが、「今日は何をしたの? 」と いう積極的な親子の会話のきっかけになります。これは、疑問があったらどんどん聞いてほしい、という学校側の意図もあるのかもしれません。また、これをきっかけに 同級生の保護者と交流を持つのも興味深いことです。

スイス特有の環境が多くのきっかけを与えてくれる 
 スイスは 4 か国語を公用語としており、ドイツ語圏では独自のスイスドイツ語が話されています。そういったことから、相手が自分の話している言語を理解するとは限らないという感覚を持つ人や、2、3の言語を話せる人が多いことや、「わからない」と言えば、ゆっくりと相手に分かる言葉で対応してくれる人が多いことにも驚かされます。

 このような感覚も、幼い頃からの学校生活も含めたスイス特有の環境が育てているのかもしれません。

 

*上記に記載している情報は、あくまでも例として、個人が経験した体験談を交えています。現在お住まいの地域の学校により、記載内容と異なる場合があります。詳細については、学校に直接お問い合わせください。

 


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