末岡 淳史さん ( Pentel Papeteriewaren AG )

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 言葉や生活習慣が異なる国で仕事をするには、多くの苦労が伴います。一方で、新たな世界での挑戦は刺激に満ち、自分の可能性を広げる機会や、やりがいにもつながります。

今月のコラムでは、スイスを拠点とする企業や公的機関などで仕事や研究に取り組み、また日本との架け橋になりたいと奔走する日本人、末岡 淳史さん を紹介します。

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詳しくは文末をご覧ください。


Q : 簡単な自己紹介と末岡さんの行っている事業について教えて下さい。

 文具メーカーぺんてるでスイス拠点の責任者をしています。皆様が幼少の時に使用していた「くれよん」や「絵の具」を製造販売するメーカーですが、実は海外進出が早く、現在では連結で65%が海外の売上を占めるグローバル企業です。海外には21の拠点があり、スイスはスイス国内を管轄する営業所になります。スイスでは、ゲルインクボールペン、シャープペン、シャープ芯、修正液などを主力に販売をしています。

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Q :幼少時代や学生時代はどういうタイプでしたか?

 小中高大ともに勉強よりはスポーツを行う活発な、自発的な行動をとるタイプでした。少し飽きっぽいですが、真面目に取り組む性格だと思います。少々頑固かも知れません。

スイスぺんてるについて伺います。
Q :どのような経緯で取締役就任まで至ったのですか?

 1998年入社、東京支社で国内営業7年⇒海外営業本部1年⇒イギリスぺんてる5年⇒ドイツぺんてる2年⇒経営戦略室2年⇒2015年からスイスぺんてる、という経歴です。

Q :日本を離れて、異なる労働環境や生活環境のなかで色々不安があったと思います。それでもやってこれた理由は何ですか?

 イギリス、ドイツでの経験が下地にありましたので、ある程度スムーズに入ってこれました。スイスは治安も良く、思っていた以上に英語が通じ、公共機関もしっかりしているのである程度の不安は解消されました。

Q :取締役、また経営者として、経営するにあたり苦労したことなどはありますか?

 一つ一つの事に対して早く決断しないといけないのですが、常にその決断が最善であるかを自問自答する事が良くあります。

Q :取締役、また経営者として、いつも大事にしていることはありますか?

 人の話を聞く事、対話を心がけています。トップとしての決断を下さなくてはならないときでも、次に活かせるような話し合いに持っていくようにしています。会社は人で成り立っていますので、従業員が気持ちよく働き、良い成果を上げられる様な環境を作る事を心掛けています。

Q :異国の地で、日本人一人で会社のマネジメント全般をするために必要なものは何でしょうか?

 海外で仕事をするにはコミュニケーションが大事です。日本とは全く違う文化での仕事なので、異文化を知る事で仕事の仕方や現地従業員 への対応も変わってきます。

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Q :特別な信条やモットー、哲学などをお持ちですか?

 何事にも一生懸命に最後まで取り組む事を信条としています。 途中で妥協して終わってしまうと、本当の成果が見えづらくなります。一生懸命に取り組む事で経験出来る事があり、その経験は後で必ず活きてくるからです。

今後のスイスにおける活動や目標について伺います。
Q :どのような方針で活動されるご予定ですか?

 高品質の良い製品を作っている会社なので、それを紹介していきたいです。説明して、わかってもらって、使ってもらって、その結果「仕事がうまくいった」、「経費が下がった」ということにつながればいいですね。ただ説明するだけではなく、印象に残るようなことをしていきたいです。

Q :新たな計画などはありますか?

 2017年にスイスに進出して40周年を迎えます。これを機にスイス国内でのプレゼンスを上げる事でブランド力を向上させ売上を伸ばして行きます。特に、エンドユーザーにぺんてるをもっとよく知ってもらうため、9月にはローザンヌとチューリッヒで開催される「クレアティーバ(Creativa)」というイベントでワークショップをします。Tシャツに描いたり、クリスマスに向けてカードを作ったり、手で書く体験をしてもらう催しです。11月には学校の先生向けのフェアへの出展を計画しています。先生は文具を毎日使うので、知ってもらう良い機会だと思います。

「Creativa」のイベント情報はこちら

Q :ぺんてるの製品の中でも、特におすすめの商品はありますか?

 全部おすすめですが(笑)、まずはゲルインクボールペンのエナージェルです。ペン先のボールと、それを支えるスプリング、そしてインクに工夫があります。他社製も含めて従来の油性ボールペンのインクはハチミツのような粘度でしたが、エナージェルはさらさらで軽く、でもペン先から漏れない技術を開発し、ダマもなく、余分な力を入れずにスムースに字が書けます。速乾性にも優れており、左利きの方にも筆記時につく汚れがなく、評価が高いです。pentel_6840

 そして、シャーペンです。オレンズ(ORENZ)という超極細シャーペンなのですが、ペン先にあるパイプが常に芯を固定しているので不思議なほど折れにくいと評判です。芯は0.2と0.3と極細なので新聞の活字くらいの字が書けて便利です。芯の硬さにも定評があります。どれだけ折れにくいか、実験してみましょうか。

ぺんてるの芯 (写真上)
 平行に並べた2本の芯に2フラン硬貨を1枚ずつ乗せていきます。他社製の芯は10枚目あたりで揺れ、13枚目を乗せて2秒ほどで折れましたが、ぺんてる製は18枚目を乗せるまでしなった状態を保ちました。他社製は12枚、ぺんてる製は17枚の耐久性。2フラン硬貨が1枚10gなので50gの差です。

Q :末岡さんにとって、ぺんてるの商品とは?

 家族で使ってほしいもの、です。えんぴつやボールペンはアナログですが、おじいさんやおばあさん、大人、そして子どもたちに家族団欒やコミュニケーションの一部として使ってもらえたらいいと思っています。Creativaでのイベントもその一つで、ただ描くだけではなく、家に帰ったら作品を家族に見せて、そこから会話が生まれます。家族にとっての一つの出来事がぺんてるの商品から発生しているということは非常に大事だと思います。そのためにも、多くのみなさんにぺんてるを知ってもらいたいです。

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 <取材協力>
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Pentel Papeteriewaren AG
Gewerbestrasse 20 8132 Egg, Schweiz
Tel.: +41 (0)44 984 28 88
Fax: +41 (0)44 984 19 21
E-Mail info(at)pentel.ch
Website: www.pentel.ch

撮影・取材: Yoriko Hess, Yuko Kamata
編集:Yoriko Hess,Yuko Kamata

この度は色々ありがとうございました。スイス情報.comスタッフ一同、末岡さんの益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

 


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