清原 伸彦先生 ( 日本体育大学名誉教授 ) 後半

 

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練習や指導などについて

|  『 集団行動 』を行うために必要なことは?

まずは、個の「自律」。あせらず自分の能力を理解し、自らそこに入り込んでチャレンジすること、これが基本なんです。だから強制は一切していません。そして、『集団行動』に時間的にも環境的にも集中することです。

個が自律しているからこそ、集団が生かされる

先輩がいばって後輩に私的なことを要求すると、集団の悪いところが出てくるんです。自分にないものを人に要求しているんでしょうね。集団のいいところは、自分にないものを先輩から見て見習う、後輩が一生懸命やっていたらアドバイスをし、自分を見直す関係です。それができてお互いに信頼しあうと集団ってすごいんですよ。

|  練習以外にメンタル面で指導していることは?

自信が笑顔に出てくるように指導しています。あとは感受性と献身的な心ですね。自分は間違いなくやるけど、ミスする人がいても思いやりが持てるような気持ちを作り上げていくことです。

指導するとき、重きを置いていることは?

目標を設定して、それが達成できる環境を作ることです。お互いに考えていることや事実を言って、聞いて、自分がやる気になれる環境を作る。そして、いいところを見つけて、認めて、褒めるから、学生もモチベーションが湧くんだと思います。

練習をしていく上で、大変なことは?

「感化」です。金曜日に5までやって、月曜日は6からできると思ったらまたゼロから。環境・状況に負けちゃうんですね。だから、意識をつけるために一週間の合宿をやるんです。それも、大広間に雑魚寝して昔の修学旅行みたいに。そういう生活をさせることで、自分にないものを見出したり、あるものを提供したりするようになるんです。

指導者として必要なことは?

根気です。オーケストラと一緒ですね。弦楽器が奏でられない音がきたら管楽器や打楽器がきたりして、自分の一番いいところを出して作るのがオーケストラ。その素晴らしさに人は感動するんですよ。その域に達するには時間がかかるので、指導者に必要なのは我慢して待つ根気、そして忍耐でしょうね。

|   清原先生は怒らないで「言い聞かせる」そうですね

僕は父親に怒られたことがないんです。父親は一緒に正座をして、僕に言いたいことをしゃべらせるんです、簡単な質問に答える形で。それを父親は黙って聞いて、そして「お父さんならこう思うぞ」と。最終的には言い聞かされて、納得していましたね。あと「固定観念が違う、必要に応じてやれ」と。父の教えが今、全部利用できます。役立ちましたね。

| 『集団行動』はパフォーマンスであると同時に、清原先生の指導・考え方の賜物

先日、ドイツのタトゥーやロイヤル・エディンバラのタトゥーから興味を示されました。他にも、フェラーリの会長に招待されたトークショーで「あなたみたいな人が世界にいたら世界平和につながるね」と言われたんですよ。やっぱり認められているし、やっていることは間違いじゃないし、またやれる、と思いますね。これからも僕は、集団行動を通して心の問題を訴えたいと思っています。

 


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編集:Yoriko Hess,Yuko Kamata
撮影:Yuko Kamata

 

 


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