スイス義務教育制度の特徴

 スイスでの妊娠・出産・育児の大仕事をある程度終え、子どもの成長を感じて喜んでいるのもつかの間。次に考えなければいけないことが数々ある中で、スイスでの就学前教育や義務教育は、子供にとって「重要な通過点」となるかと思います。

 義務教育は、世界中の多くの国で導入されている制度であるものの、国ごとにその制度の仕組みは異なります。4つの公用語、4つの言語圏、26の州・準州で構成されるスイスでは、州特有の独立性を持つことから、各州での教育制度も特徴があることがわかります。

 今回はスイスの「義務教育制度の特徴」について、スタッフの体験談や事例を交えながらご説明いたします。

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| 義務教育期間

 スイスの義務教育期間は、以下のように分類されたスイス教育制度のうち、基本的には「初等教育」と「前期中等教育」を合わせた9年間となります。* ドイツ語表記

・就学前教育 ( Vorschulstufe)
* 初等教育(Primarstufe)
* 前期中等教育(Sekundarstufe I)
・後期中等教育(Sekundarstufe II)
・高等教育 (Tertiärst)
 

ただ、州によっては幼稚園期間(Kindergarten)の1-2年が義務教育に含まれる場合もありますので、現在お住いの州または地域で定められた制度に従う必要があります。

州ごとの義務教育期間は、 スイスの文部省(EDK)が発行した「教育制度・2015/1016年版(州別)」をご参考にしてください。

| 就学前教育の徹底

 低年齢児(3〜5歳)の時点で、先生、両親や子ども本人を含めた3者面談が年に2〜3回行われます。3者面談は主に子どもの不得意点の克服や自己評価などを含む、3者からの評価を交換し合い目標の設定や質疑応答、意見や判断を仰いだりする機会を設けます。このように早い段階で両親や子どもが学校側とコミュニケーションをとることで、小学校への円滑な接続や年齢関係く飛び級も可能になります。

| 学校の入学・卒業年度

 学校の年度(3月・4月)で入学・卒業の生徒が決まる日本と比較すると、スイスの学校の年度は一般的に8月始まり、7月終わりです。スイスでは、その年の8月生まれから翌年の7月生まれの子が入学生徒(同学年)に相当するわけでなく、その年齢の範囲は州によって異なるほか、夏休みなどの休暇の呼び方も州により変わるようです。

| 第二言語習得の授業

 移民の多いスイスでは、都市部を中心に多くの外国籍を持つ子どもたちが学校に通っています。国内全体の6割以上を占めるドイツ語圏、その地域に住む外国籍の子どもたちは、通常「第二言語習得」を習うための特別クラスやドイツ語の授業(DaZ=Deutscch als Zweite sprache) を受けます。
*フランス・イタリア語圏では主に英語、またはドイツ語。

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| 多種多様な時間割

 クラス毎に決められた時間割ではなく、年度や日ごとに異なる始業時間、時間割に教科名がないこともあります。例えば、A州にある学校では、フランス語の授業が5年生から、一方B州の学校では6年生から始まります。また、A州の学校では英語の授業が3年生から始まり、B州の学校では5年生からなど、義務教育と言えど学校や州により、多種多様です。


 上記の例にもあるように、管轄する州によって異なる「スイス特有の学校制度」がありますが、学校の教育制度だけに限らず、学校生活のなかでもよく見受けられ、多様性の中で子どもたちが育まれている環境であることは間違いありません。

 

*上記に記載している情報は、あくまでも例として、個人が経験した体験談を交えています。現在お住まいの地域の学校により、記載内容と異なる場合があります。詳細については、学校に直接お問い合わせください。

 


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